強いチームの秘訣とは何だろうか?

 

みなさんの想像する強いチームとは、どんなチームですか??

 

正解はありません。

今年優勝しても、来年優勝するとは限りません。

でも、優勝したチームが結果的に強いチームです。

 

今、私が考える強いチームとは以下のチームです。

 

①才能があり、努力する選手がチームに多くいること。

②チームスタッフがスペシャリストかつ自分の担当を逸脱しないこと。

③監督は自分自身の強みを理解し、強み以外は人に任せる事ができる人。

 

①才能があり、努力する選手がチームに多くいること

 

Grit(著:アンジェラ・ダックワース)の本の中で、達成するためには以下の事が成り立つと述べている。

 

「才能×努力=スキル」

「スキル×努力=達成」

 

すなわち、能力や才能がただあるだけでも努力できなければスキルにはならない。スキルがあっても努力しなければ達成できない。

 

「努力」という言葉を聞くと、死ぬほど頑張ればいい。毎回毎回疲れ果てるまで頑張る事が努力であると考える人もいるかもしれない。ここでいう「努力」とは、いかに精神的・肉体的に頑張ったかに焦点を当てているのではなく、目標を達成するために必要なことを行い続けていられることの事だ。

 

例えば、跳び箱を10段飛べるようになりたいとする。イメージトレーニングが良いと聞いたので毎日8時間跳び箱のイメージトレニング用ビデオをみました。ビデオを見続けて半年。では跳び箱が10段飛べるようになったでしょうか??

答えはNoである可能性が高い。なぜなら、跳び箱10段飛べるだけの脚力がないかもしれない。ジャンプしても10cmしかジャンプできず、実は体重が100キロで身長は160cmだった。なんてことだったら難しい。

では、どうしたら飛べるようになるのか???

まず体重が重すぎるため、ダイエットをする。並行して、跳び箱を飛べるだけの脚力をつけるトレーニングに実際跳び箱を飛び、ロイターバンを使う感覚になれる。徐々に段をあげていく。

などが考えられる。

ここで言いたいのは、目標を達成したいことと、実際に行っている行動にズレがあれば、どれだけ頑張っても目標を達成することが難しい。

方向性や正しい努力が必要である。

 

②チームスタッフがスペシャリストかつ自分の担当を逸脱しないこと

 

チームスタッフは1人より、2人の方が出来る範囲や可能性が広がる。

では多ければ多い方が良いのか??

多すぎるとコミュニケーションをとることが難しくなったり、弊害も出てくる。

複数のスタッフがいた時に、どのようなチームスタッフが好ましいのか?

 

まず、チームスタッフはスペシャリストであること。ここで使う「スペシャリスト」とは、それぞれが強みを持っているということだ。分野を問わず、幅広い知識や技術等を持ち合わせている人のことを「ゼネラリスト」と呼ぶことがある。今回は、スポーツチーム内全体を見渡せる、マネジメント出来る人のことも「ゼネラリスト」ではなく「スペシャリスト」と呼ぶことにする。

 

チームの歯車が狂い始めるのは、担当範囲を逸脱した人が出てきた時だ。

チームスタッフそれぞれが成長し、担当範囲が増えるのが好ましくないという訳ではない。チームスタッフの成長は望ましいことであり、厳しい言い方をすれば成長しないスタッフが在籍することは好ましい状況とは言えない。

話を戻そう。

ここでいう担当範囲の逸脱とは、「フランス料理専門なのに、日本食の料理人に口を出し食材の切り方まで変えさせてしまう」ようなイメージである。もちろん、フランス料理専門のコックさんでも、レシピを見れば作れるかもしれない、しかも一般人よりも上手に。しかし、日本食専門家ではない。フランス料理、日本食、それぞれが奥深いのである。

スペシャリスト同士の意見を交わすことで見えてくる気づきもあれば、違った分野のスペシャリストとして客観的に感じたことを伝えることはあるだろう。しかし、切り方や火を通すタイミングを勝手に変更させたりしてはいけない。

 

スポーツでも似たようなことが起こっている。例えば、サッカーとしよう。サッカーのスキルを指導するコーチと、身体を鍛えるトレーニングコーチ、2人居たとする。サッカーのスキルコーチが、身体のトレーニングコーチに腹筋100回させろと立場が平等であるならば指示してはならない。意見を伝えるに止めなければならない。

スポーツに詳しくない人だと、この内容はどういうことだ?と疑問をもつかもしれない。

スポーツはスポーツで、それぞれの専門家がいて奥が深い。スキルコーチとトレーニングコーチでは共通言語を多く持ち合わせているが、専門性が異なる。

 

 

ビジネスにおいても同じだろう。

それぞれの強みを生かしきれず、担当範囲を逸脱した人が出てきた組織は上手く行かなくなる。

 

③監督は自分の強みを理解し、強み以外は人に任せる事ができる人

 

「人に任せることができる」というのは大きなポイントである。

任せるためには、信頼していなければ安心して任せることができない。

はたまた、自分には何でも出来ると勘違いして、自分より立場が低いと専門家の意見を聞くことが出来ないリーダーは最悪である。

立場・社会的地位・年齢・性別問わず、他者の意見に耳を傾けられることが出来るのがリーダー、スポーツとしては監督の必須条件だ。

では、監督は誰でも何でも話を聞かなければならないのか??これもまたYesでありNoである。関係者が多くなればなるほど、監督1人では意見を聞ききれない。また専門性が高くなればなる程、深い知識が必要になってくる。監督1人が全て網羅することは難しい。そこで、「人に任せる」ということが必要になってくるのだ。

監督自身が、人の才能を見抜くことがプロであるならば、素晴らしい人材を揃えあとは全て任せ、最終決断のみを監督が行うかもしれない。

監督が、どの専門家を雇えばいいのか分からないのであれば、信頼できる見る目をもつ人を引き抜くプロに人材を揃えることをお願いすることも一つの手段である。

監督と言葉では一言で言えても、様々な人がいる。監督の強みを最大限に発揮し、チームとしての最終決断を行えることが監督には求められるのである。

 

【ポイント】

あなたの強みをとことん生かそう!